Now Loading
facebook instagram

Humans of Ome

青梅の素敵なひとたち

峯岸 常人

遼有堂

峯岸 常人

青梅生まれ青梅育ち青梅在住のバリバリの青梅っ子の遼有堂さん。
わたしたちは、つねさんと呼ばせていただいているので、ここではつねさんと書かせていただきます。
つねさんとわたしたちがはじめてお会いしたのは、2020年の夏にCinema MADE IN OMEの準備をしていたとき。こけら落としの開催会場の金剛寺の会場の設えをどうしようか迷っていたときに、ちゃんちき堂のてつさんが、「知り合いに大工さんいるヨ〜」と、紹介してくださったのが、つねさんと、奥様のとしえさんでした。

茶室をつくる大工である数寄屋大工の感性と技術に魅力され、数寄屋大工のもとで修行をして、その後、独立。 遼有堂 をスタートしたつねさん。

クライアントは、日本国内のみならず、海外の超有名人もかかえるなど、聞けば聞くほど、ものすごいキャリアの大工さん。
青梅近隣で遼有さんの作品として有名なのは秋川渓谷に佇む山里料理屋の黒茶屋さん。
この黒茶屋さんのシンボルともいえる水車をつくったのが実はつねさんなのです。

そんなすごい方に、まさかCinema MADE IN OMEの会場の設えのサポートをしていただけるとは、思ってもいなかったわたしたち。
ドキドキしながらお願いしてみると、びっくりするくらい快く、サポートを快諾してくださりました。

つねさんに金剛寺の設えをお願いしてからは、さすがプロフェッショナル!と、脱帽の連続。
わたしたちが思いもつかなかった竹を使ったアイデアをするりと出してくだり、そこからはつねさんの陣頭指揮で、怒涛の準備がはじまりました。
まずは材料の竹を調達することから。
幸いにも、小曾木に竹やぶを所有しているつてがあり、そこでまずは竹を50本ほど、切り倒す作業から。

そして、その竹をカフェころんの裏庭で洗い、カットし、穴を開けて模様をつくっていく。このときには、ちゃんちき堂のてつさんとかおりさんをはじめ、林業のプロの方々にもお手伝いいただき、みるみるうちに竹が灯籠へと変身していきました。

そして、ほんとうにご多忙な中、つねさんがつくってくださったのが、あの、金剛寺に設えられた、幻想的な竹灯籠のステージだったのです。

イベント当日は、竹灯籠のステージの真上にまん丸なお月さまが煌々と光り、なんだか夢の中にいるような気分でした。

つねさんの技術のルーツともいえる数寄屋造りは実用性だけを追求するのではなく、こまかい細工や繊細な材料などを用いて、”侘び寂び”といった粋や趣を表現する日本の伝統工法とも呼べる技術だそうです。
つねさんは昔ながらの大工道具を使って、クラシックでありながら、それでいて洗練されたモダンな作品をつくりだしていきます。

つねさんが数寄屋の技術と感性を駆使してつくるのは、住宅や建物、店舗などの空間だけでなく、建具から家具、器までさまざま。
匠の技が随所にちりばめられているつねさんの作品は見ていてため息がでるほどです。
つねさんは木のことを知り尽くしている、木のプロフェッショナルでもあります。それぞれの木の性質に合わせて用途を変えたり、作品をデザインするときにクライアントの人柄によってまずは木をチョイスするというプロフェッショナルぶり。
以前、お寺にご一緒させていただいたときは、木造建築の本堂をじぃーっくり見てらっしゃって、お声がけしたら、職業柄、どんな木がどんなふうに使われているのか気になってやっぱり見ちゃうそうです。

茶室を建ててもらう!というところまではいけないまでも、いつかはつねさんに一生モノの家具をつくってもらうのが、わたしたちの夢です。

Humans of Ome